2011年夏。
タイは大洪水に見舞われた。
日本の会社関係の人は大騒ぎしたが、タイの人からみれば驚くことではない。
モンスーン気候での雨期は、今回の洪水は過去に50年に一度位の割合で起こってきたこと。
つまり、ヒマラヤの南麓には、例年多くの雨が降る。
雨期には多くの雨が毎日降るのが当たり前の気候である。
この世界でも希な多雨エリアこそラン科植物の宝庫である。
他の植物でも宝庫である。
宝庫ということは多くの植物が生存するに好都合な条件が揃っているということ。
その一つの条件が多くの雨がもたらす恩恵である。
 水分。
 雨に含まれる尿素(雷が空中窒素から尿素を合成する)の窒素。
 多量な枯れ葉。
 枯れ葉を分解する菌、ラン菌(材木腐朽菌)の大繁殖。
 豊富な再生可能エネルギー
 つまり・・・
 再生可能エネルギーが持続的に行われる条件が揃っている。

 ラン科植物は・・・日本では考えられないような多湿条件で生き続けている!
 超多湿でも根腐れなど起きないのである。
 この多湿を・・・・水ゴケ、バーク、軽石栽培に行えば「根腐れ」を簡単に起こす。


 ラン栽培の歴史は「根腐れ」との戦いであった。
 根腐れの原因。
 90%以上多湿が原因である。
 そういうことで、人間がラン栽培始めたときから今日まで、
 ラン栽培の栽培技術は根腐れ防止の技術である。
 素焼き鉢、鉢の形状、鉢底に鉢カケ、水ゴケの固さ、植え込み方法、潅水方法・・・用土。

 「ランを枯らすには刃物は要らず・・・
         水をやればあの世ゆき・・・・・」

 園芸で最も難しいのは潅水である。
 この水加減がその日、その日の天候で乾きが違うから、
 根腐れ起こせないで素晴らしい生育させるのは至難なのである。
 潅水は・・・本では、文章では説明できない。
 よって「水やり3年」・・・という言葉が生まれた。
 実際、ランを作ってみると3年どころか10年、50年作っても解からないということが起こる。
 現実問題として・・・・・
 SUGOI-neで植えて人を検証してみると、ベテランに作れない人が多い。
 なぜだ????
 そういう疑問が出てくる。

 その理由は簡単である。
 SUGOI-neは自生地再現の用土である。
 タイの大洪水の豪雨でも根腐れ起きないように・・・ラン自生地を再現した用土である。
 であるなら・・・・SUGOI-ne栽培では、タイの大洪水のような潅水を行なうべき用土である。
 これより潅水、雨が少なければ大失敗することになる。

 2011年はヒマラヤ、タイのみでなく・・・・
 紀州カンランの自生地である紀州半島も2日で1000mmという大豪雨に見舞われた。
 この超多湿でも・・・自生地では紀州カンランは根腐れを起こさない!
 なぜだ????
 この疑問を解く鍵が・・・・ラン菌の力、活動である。
 ランの種子は、この雨の水分と、雨に含まれる養分、雨による湿度で、
 ラン菌が枯れ葉に繁殖し、枯れ葉を分解している状態で、ラン菌と共生し、
 発芽し、プロトコームを形成し、充分な湿度が保持されている枯れ落ち葉、植物死骸の中で、
 約6ヶ月から1年プロトコームは生き続ける。
 ラン科植物は時には豪雨のような多湿条件がなければ生存できない植物である。
 自然界における・・・ランの自生地におけるランは、
 今回の洪水のような多雨でも根腐れなど起こらない。
 これを山から掘ってきて、ラン菌の生息しない・・・ランの生態系を無視した用土で植えるから、
 簡単に根腐れを起こす。
 実際に自生地を再現した用土SUGOI-neで栽培した場合、
 タイの洪水を起こした多雨のような潅水を行なっても、根腐れは起きない。
 ランの栄養生長期間というのは多雨の雨期なのである。
 充分な湿度は、旺盛なラン菌の繁殖を促し、枯れ葉のリグニン、セルロースを分解する。
 当然多くの糖、糖質が生まれる。
 この糖、糖質で胚乳を持たないランは発芽し、プロトコームを形成し、葉が発生して・・・
 少しづつ光合成を行なうようになる。
 スローな生育のラン、光合成の澱粉のみではエネルギーが足りない!
 菌根は・・・ラン菌との共生はエネルギー調達のため具備したもの。
 備えあれば憂いなし!
 これは丁度現在太陽光発電のみでは全てのエネルギーを賄うことが出来ないのと似ている。

 乾期であっても、カラカラに乾燥する場所ではランの自生地にはなり得ない。
 プロトコームが生存出来る湿度が保持されている場所でなければ、
 ランは葉を出し、生長できないからである。

 ラン栽培の最も厄介な問題は、乾期の潅水、湿度が大きく誤って普及していること。
 どんな本、講習会でも、プロトコームが生きられる湿度に言及していないことである。
 着生ランは乾燥が好きだから着生しているのではない。
 樹の枝で生きられるほど、そのエリアの多くの雨、多くの水分があるということ。
 間違ってはならない。
 鉢物栽培は、植物にとっては異郷の空間であるが、
 何億年もかかって構築された生物の水分、湿度は、
 僅か200年ほどのラン栽培の歴史で変化するものではない。
 鉢栽培であっても、自生地における湿度をまもらなければならない。
 SUGOI-ne栽培を行う場合、これが絶対の条件、技術である。
 水ゴケ栽培、軽石栽培の湿度というのはランからみれば異状な湿度である。


 

 20世紀のラン栽培の科学は、
 他の分野と同じように物理、化学からの究明であった。
 無機化学からの原因究明。
 ランの根腐れ防止は、よって保水性、排水性、PH・・・より追究された。
 誰もラン菌の活動が関係することに着目しなかった!
 ラン菌は想定外。
 削除。
 このラン菌削除の栽培法が、世界中に普及している。
 どんな本を見ても同じことがかかれている。
 SUGOI-neがでるまで、ほとんどのランに適応するラン菌が生きている用土は、
 世界中を見ても開発されたことはない。
 プラントハンターはラン菌など眼中になかった!
 蘭界においては、新種を発見したプラントハンターを高く評価しているが、
 それゆえに・・・・地道な研究であるラン菌の発見が削除されつづけてきた。
 現在でも、19世紀のように、プラントハントしているが・・・
 それを栽培するに相変わらずラン菌削除の用土で栽培する。
 これでは100年・・・何の進歩もないラン愛好、栽培になる。
 地球には・・・もはや見るべき美しい新種などほとんどない。
 秘境はほとんどない。
 21世紀は、プラントハンター時代ではないと想う。
 それより、ランが元気で持続再生できる栽培法の完成であろう。
 絶滅をどうやって防ぐか・・・・。
 こんなことを考え研究している業者は・・・最上オーキドのみかもしれない。
 何時の時代も、画期的な発明は異端者の頭から生まれる。
 

 
 
タイの大洪水に学ぶラン栽培

     多湿に生きるランなのに・・・・
        なぜ多湿で根腐れを起こすのか??????
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